投稿日:2025/09/09
みなさんこんにちは。
新潟県で3PL事業を展開している、株式会社bud梱包出荷サポートです。
このブログでは、物流業界にまつわる様々な事柄について解説しています。
今回は「RSL(楽天スーパーロジスティクス)」について。
全10回のシリーズで、RSLの基本から、グリーンロジスティクスに至るまでを解説し、自社の物流パートナーとして、RSLを選ぶべきなのか、3PLを選ぶべきなのか、悩める皆さんの一助となるような記事を展開します。
シリーズ第1回となる前回の記事では、RSLと3PLについて、根本的な違いを解説しました。
第2回となる本記事では、RSLと3PLの料金体系を比較して、本質的な物流コストを見極めるためのポイントをお伝えします。
ぜひ最後までお読みください!
はじめに
物流パートナーを選定する際、多くのEC事業者が真っ先に比較検討するのが「料金体系」です。
その点で、楽天スーパーロジスティクス(RSL)が提示する
在庫保管料+出荷作業料+資材料+配送料
という4つの要素で構成されるシンプルな料金体系は、一見して非常に魅力的です。
特に、北海道や沖縄、離島を含めた全国一律の配送料は、コスト計算を容易にし、遠隔地の顧客を持つ事業者にとっては大きなメリットと感じられるでしょう。
しかし、この「シンプルさ」が常に「最も経済的」であるとは限りません。
物流コストを真に評価するためには、表面的な価格だけでなく、その料金体系が自社のビジネスモデルや事業の成長段階に与える影響まで含めた「総所有コスト」の視点が不可欠です。
本記事では、RSLのシンプルさに潜む隠れたコストと、一見複雑に見えるサードパーティ・ロジスティクス(3PL)の価値連動型価格体系がもたらす真の経済性を解き明かします。
料金表の数字だけでは見えてこない「物流コストの罠」を理解し、自社の利益を最大化するための最適な選択のために、役立てていただけたらと思います。
RSLの「シンプル」な価格体系—その光と影
RSLの料金体系は、その分かりやすさが最大の強みです。
例えば、「10日間保管した靴を80サイズで出荷した場合、利用料金は518円(税抜)」といった具体的な例が示されており、事業者はコストを容易に把握できます。
このモデルは、特に物量が安定しており、標準的なサイズの商品を扱う事業者にとっては効率的です。
しかし、この標準化されたモデルには、柔軟性の欠如という側面から生じる「隠れたコスト」が存在します。
1.非効率な梱包によるコスト増という罠
RSLでは、商品のサイズに応じて梱包箱がシステムによって自動的に選択されます。
このプロセスは効率的ですが、時に過剰な梱包を生み出す可能性があります。
例えば、本来はメール便(ポスト投函)で発送可能な小型商品が60サイズの箱で出荷されたり、60サイズで収まる商品が80サイズで出荷されたりするケースがみられるようです。
この場合、事業者は本来不要であったはずの高い「資材料」と「配送料」を負担することになります。
小さな差額に見えても、出荷件数が積み重なれば、無視できないコスト増につながるのです。
2.「全国一律」の優位性の変化
RSLの大きな魅力であった全国一律料金ですが、その優位性は近年、変化に晒されています。
2025年6月からの料金改定では、多くのサイズで配送料が値上げされるだけでなく、これまで同額であった楽天市場以外のモール(他モール)への出荷に対して、新たに「他モール出荷料」が別途請求されることになりました。
これにより、楽天市場以外のAmazonや自社ECサイトなど、多チャネル展開を行う事業者にとって、RSLのコストメリットは相対的に低下します。
事業が成長し、販路が多様化するほど、この追加コストは経営を圧迫する要因となり得ます。
3.下方硬直的なコスト構造
RSLの料金は従量課金制ではあるものの、その変動幅は限定的です。
ビジネスには繁忙期と閑散期がつきものですが、閑散期に売上が落ち込んでも、RSLのコスト構造では経費を柔軟に縮小させることが難しい場合があります。
特に、在庫保管料は保管スペースに対して発生するため、売上が立たなくてもコストはかかり続けます。
3PLの「複雑」だが価値連動型の価格体系—真の経済性とは
一方、3PLの料金体系は、一見すると複雑です。
保管料の計算方法一つとっても、月間の在庫数に基づいて計算する「1期制」、月を2回に分けて計算する「2期制」、3回に分ける「3期制」など、様々なモデルが存在します。
荷役料も、入庫、出庫、ピッキング、梱包といった作業ごとに単価が設定され、商品の荷姿(ケース、パレットなど)によって変動する場合がほとんどです。
特に物流ビジネスに不慣れな荷主にとっては、そのコストが必要なものなのか、それは適正な価格なのか、吟味することも難しいかもしれません。
しかし、この複雑さは、裏を返せば「精緻さ」の現れです。
シリーズ第1回の記事でもお伝えしたように、3PLの最大の魅力はその「オーダーメイド性」にあります。
そのため、3PLの価格体系は、クライアントの実際の物流活動に連動するように設計されていて、実は経済的であることが多いのです。
1.物流コストの「真の変動費化」
3PLを導入する最大のメリットの一つは、これまで固定費であった物流コストを変動費に切り替えられる点です。
自社で倉庫や人員を抱える場合、閑散期でも家賃や人件費は固定で発生します。
しかし3PLでは、「使った分だけ支払う」という原則が徹底されるため、物量が少ない月はコストが大幅に削減され、キャッシュフローの改善に直結します。
これは、季節変動の大きい商材を扱う事業者や、事業の安定性を重視する企業にとって極めて大きなメリットです。
2.最適化による継続的なコスト削減
優れた3PLパートナーは、単に作業を代行するだけではありません。
前回記事でもお伝えしたように、3PL事業者とクライアントは協業関係にありますから、3PL事業者はクライアントの物流プロセスを分析し、より効率的な方法を提案することで、積極的にコスト削減を図ります。
例えば、商品の特性に合わせた最適な梱包資材と配送方法を選択することで、RSLの自動梱包で発生しがちな過剰梱包によるコスト増を防ぎます。
また、保管方法の改善によるスペース効率の向上や、配送ルートの最適化による運賃の削減なども期待できます。
3.インセンティブの合致と「ゲインシェアリング」
3PLとの契約形態の中には、「ゲインシェアリング」という先進的なモデルも存在します。
これは、3PL事業者の改善提案によって物流コストが削減された場合、その利益(ゲイン)を荷主と3PL事業者で分け合う(シェアする)という考え方です。
このモデルでは、3PL事業者がコスト削減に成功すればするほど自らの利益も増えるため、両者のインセンティブが完全に一致します。
これは、クライアントのコストが自社の売上に直結するRSLのようなユーティリティモデルとは根本的に異なる点であり、3PLが真の「パートナー」となり得る理由の一つです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
物流コストの評価は、単一の料金表を眺めるだけでは不十分です。
自社の事業特性(物量の変動、商品の種類、販売戦略、etc)と照らし合わせ、どちらの価格体系が長期的な価値をもたらすかを慎重に見極める必要があります。
RSLの「シンプルさ」は、特に楽天市場を主戦場とする事業の初期段階では有効な選択肢です。
しかし、事業が成長し、取り扱い商材や販売チャネルが複雑化するにつれて、その標準化された料金体系が逆にコスト増の要因となる「罠」に陥る可能性があります。
一方で、3PLの「価値連動型」の価格体系は、事業の実態に即したコスト管理を可能にし、継続的な改善提案を通じて真のコスト最適化を実現します。
物流コストを単なる「経費」ではなく、経営の安定化と成長に貢献する「戦略的投資」と捉えるならば、3PLパートナーシップの検討は不可欠と言えるでしょう。
次回は
物流が生み出す究極のブランド体験|「開封の儀」はRSLで叶えられるか?
物流がいかにして強力なブランディングツールとなり得るのか、そしてRSLと3PLが提供するアンボクシング体験の違いが、事業の成長にどのような影響を与えるのかを深く掘り下げていきます。
お楽しみに!
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